
糖分を上手にコントロールすることで、むし歯菌の養分になるものを少なくし、菌の繁殖をおさえることができます。 代表的な養分には、食べ物や飲み物に含まれる砂糖(ショ糖)や、果物に含まれる果糖やブドウ糖などがあります。 糖分の含まれる食べ物や飲み物を取る回数が少なければ、よりむし歯になりにくくなります。 とくに注意したいのは、三度の食事以外にとる間食の回数です。 もともと間食には、三度の食事で不足する栄養分を補う意味があります。 そこで、間食の内容には、甘いものだけでなく栄養面も考えて、ひと工夫したいものです。
間食をすると、プラーク中のpH(ペーハー)は酸性に傾き、脱灰がはじまりますが、しばらくすると唾液の働きにより再石灰化されます。
図Bのように間食の回数の多い食生活では脱灰の時間が長く、再石灰化の時間が短くなり、むし歯の危険性が増大します。寝る前の飲食はもっとも危険です。寝ている間は口の中の唾液の流れが弱いので、再石灰化が不十分となり、脱灰が続くためです。
むし歯菌を減らすには、ブラッシングが最も一般的な方法です。 正しいブラッシングによって、むし歯菌のすみかになるプラークを取り除きます。
食べ物のカスがついたまま24時間経つと、歯の表面では、むし歯菌が相当に繁殖します。
とくに寝ている間は、唾液の流れが弱いので、歯のエナメル質から溶け出したカルシウムやリン酸が補われず、危険な状態が長く続くことになります。
そこで歯みがきをする良いタイミングは、
●寝る前は必ず ●食前・食後はできるだけ
これを毎日の習慣にすることが、大切です。
食前の歯みがきの利点は、古いプラークがあると飲食の直後からより酸性に傾いた脱灰が始まり、虫歯の危険性が増大するので、食前にそのプラークを取り除くことが望ましいからです。
ブラッシングの方法や歯ブラシの選び方については、歯科医師に相談し、専門的な指導を受けましょう。