睡眠時無呼吸症候群
画期的ないびきの治療 スリーププリント
夜寝ているときに、鼻呼吸が出来ず、口をあけて呼吸される方は、無意識のうちに下顎が下がることで、呼吸がしにくくなり、無呼吸状態に陥ることがあります。このような方には、「sleeping splint」という装置を使って治します。
スリープスプリントは、安全で有効ないびきの治療法です。

はじめに
いびきを習慣的にかいている人は2000万人以上いるといわれています。そのうちの約10%の200万人が寝ている間に何十回も呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群だといわれています。
十分な睡眠こそ健康の源です。 ところが、いびきをかいているのは眠りが浅い証拠で、その代償として日中の眠気をもたらし、仕事の能率低下や居眠り運転事故を起こすなど、 社会生活にさまざまな支障をきたしています。また、長期にわたっていびきをかいていたり、無呼吸が続きますと、高血圧、不整脈、心臓病、脳血管障害、糖尿病などを誘発したり、記憶力や思考力の低下をまねきます。ですから習慣的にいびきをかいている人は一刻も早く治療を始めることをおすすめします。
主な治療法には スリープスプリントとよばれる歯科装具を使用する方法、 CPAP(シーパップ)とよばれる鼻マスクを通して陽圧空気を持続的に送る装置を使用する方法、へんとう腺や軟口蓋の肥大した部分を外科的に切除する方法などがあげられますが、まずファーストチョイスとしては簡便で携帯にも便利なスリープスプリントが最適です。

スリープスプリントってどんな治療ですか?
寝るときに下の顎を少し前方に突き出させるように工夫したマウスピースを口に入れてお休みになる方法です。この装置を入れることで、のどの気道(空気の通り道)がひろがって、いびきや無呼吸がなくなるのです。
舌を持ち上げ気道を広げるので、呼吸がしやすくなり、いびきをかかなくなります。
- 正常な場合
気道は充分に開いています。
- いびき症
肥満で大きくなった舌が気道を塞いでしまい、呼吸が妨げられています。
スリープスプリント治療の長所は?
お口の中に入るほどの大きさですから、出張や旅行に携帯することができます。
また、丈夫なプラスチック加工ですから、何年もご使用になれます。
スリープスプリント治療を受けられない人は?
歯を固定源にしますので、残っている歯が少ない人(20本未満)にはできません。また、鼻の通りがいつも悪い人や、神経質で寝つきの悪い人にもできません。このような方には別の方法が良いと思われますので、専門病院へご紹介します。
スリープスプリント治療は保険でできますか?
新しい治療法であるため、今のところ保険では適応されておりません。
今後皆様方の強い要望があれば、厚生省も将来は保険導入を考えるでしょう。